音楽知識がない人の箏の調弦方法

箏曲雑記
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趣味として箏を演奏していますが、私には実践的な音楽知識がまったくもってありません。

ドレミファソラシドと、シャープが半音高くて、フラットが半音低いの最低限だけ。

ドレミがアルファベットで表現されるということを名探偵コナンの映画でうっすら知っていたぐらい。

箏を始めた当初も、チューナーは442Hzと書いてあるものを使うことと、調弦をするのに必要最低限のアルファベットの並びを教えてもらった程度。部活で調弦していた時はどうしていたのか、今でも思い出せず謎のまま笑

そんな人間でも演奏を楽しむ分には十分なんです。

けれど様々な曲を練習していくと、最初の調弦の段階で躓くことがあります。

ネットで調べてこの曲の調弦はこうであると知ることはできても、納得できなかったこともしばしば。

そんな私でも腑に落ちた調弦への考え方(割り切り方)をここに残しておこうと思います。

もちろん、プロではなく趣味で楽しんでいる人間の考え方なので、プロの方がどう思われるかまでは知りません。あしからず。

ドレミはCDE

まず、調弦のために使用するチューナーには音階はドレミで表示されずにアルファベットで表現されます。

ド  C

   C#D♭ *

レ  D

   D#E♭

ミ  E

ファ F

   F#G♭

ソ  G

   G#A♭

ラ  A

   A#B♭

シ  B

ド  C

(*半音高い#と半音低い♭はモノによってはC又はDで表現されるが両者は同じ音)

楽曲によっては楽譜の最初にアルファベットで書かれているものもありますが、箏の楽譜に十三絃すべての音階が書かれているものは少なく、既存の調弦のパターンを元に調整している楽曲が多いです。

基音(一の弦)が壱越(D)の平調子

まずはパターンのひとつでもある平調子。

平調子とは何か。どうしてこの並びなのか。だれが作って、どういう歴史でとか、どういう調子があるのかと、いろいろ考えだすと難しくなって肝心の練習・演奏に入れないので、細々としたものはいったん置いておいて、とりあえず調弦パターンの1つであり、下記の並びだと覚えていればなんとかなります。

一  D

二  G

三  A

四  B♭(A#)

五  D

六  E♭(D#)

七  G

八  A

九  B♭(A#)

十  D

斗  E♭(D#)

為  G

巾  A

基音(一の弦)をどの音にするかでこの平調子の音階パターンも変わります。

上記のパターンは基音がDの音(壱越)の場合のパターン。

この調弦で演奏する曲はここから楽譜通りに半音上げたり下げたり、一音上げたり下げたりします。

基音(一の弦)が黄鐘(A)の平調子:春の海

基音(一の弦)が変わると音階のパターンも変わります。

例えばお正月の定番曲でもある「春の海」(宮城道雄)も平調子ではありますが基音が違うので、同じ平調子ではありますが音階パターンは上記の平調子とは別のものになります。

厄介なのが楽譜に書いていないこと!

素人が平調子(一の弦がDの平調子)で合わせて、いざ練習を始めてみると聞いたことがあるこの曲と手元の音が違うって気づくっていう……。

素人にこの判断は難しいので、ぶっちゃけもうこういうものだと割り切ったほうが早いです。

辛うじて尺八には一を黄鐘に取りって書いてあるので、そこを参考にできるぐらい。

ただ、春の海は素人がチャチャっと弾けるほど簡単じゃなくて、有名な最初のフレーズ以降は普通に難しい。

でもまあ、弾く前から色々考えていても演奏はうまくならないのでとにかく調弦していきましょう笑。

まず、基音が黄鐘(A)の平調子。

一  A

二  D

三  E

四  F

五  A

六  B♭(A#)

七  D

八  E

九  F

十  A

斗  B♭(A#)

為  D

巾  E

ここから春の海は楽譜通りに、六と斗を半音上げてBに合わせます。

そして一は六の乙(1オクターブ下)とあるので一の弦を、先程半音上げた六のBの1オクターブ下のBにします。

最終的に春の海の調弦は下記のようになります。

一  B

二  D

三  E

四  F

五  A

六  B

七  D

八  E

九  F

十  A

斗  B

為  D

巾  E

春の海の演奏中には九を半音上げる調弦変えがあるので、九のFとF#の両方の音を合わせて印をつけて演奏開始です。

弦の張りの強さによっては、普通の琴柱では左端まで動かしても一のBの音が取れないことがあります。その場合は小さい琴柱に変えて音を取ってみてください。

Dの音にレ、Aの音にラがあてはめられているように、箏の業界でもDの音には壱越、Aの音には黄鐘という名称があります。すべて覚えていても損はありませんが、趣味で弾く分にはすべて覚えていなくてもぶっちゃけ演奏には支障はないです笑

半音上げ下げ・一音上げ下げ

もうおなか一杯だよ!って方ももう少しだけおつきあいください。

調弦パターンとともに箏の調弦に必要な知識は半音一音の概念と、乙と甲になります。

半音は#、または♭の、同じアルファベットの範囲内。

一音上げ、一音下げは隣のアルファベットに音が変わること。

私はそれがわかっていなかったので、例えばB♭から一音上げてCの音になるっていうことが理解できていませんでした。一音じゃなくて半音じゃん、みたいな感じで。

4,5年箏を続けて最近ようやく理解……笑

この程度の知識でも家で練習できていたので、調弦を公開してくれている先人達に感謝です。

乙と甲

楽譜を見ると【一は五の乙、巾は六の甲】ということが書いてあることがあります。

乙は1オクターブ下

甲は1オクターブ上

ということを表しています。オクターブがわかる人は多いとは思いますが、

五がD(レ)の音の場合、一は同じD(レ)の音になりますが低いDになります。

ミファソラシドミファソラシド

上記のドレミの並びで示すとが五の弦の音だった場合、一の弦はの音になるという意味です。

甲になると逆に高い方の音を取ります。

あとはひたすら楽しむ

調弦の最低限がわかればあとは弾くのみです。

最低限がわからなくても、どの弦がどの音を取ればいいのかがわかればとりあえずオッケー。

箏の音色を一緒に楽しみましょう!

ついでに浴衣や着物を着て弾いてみるとなお雰囲気が出てよきですよ笑

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