こんなに笑いっぱなしのミュージカルだったっけ。それが観終わってからの最初の感想でした。
笑いすぎてハンカチ必須でした。
ネタバレ感想
坂本君にとっても私にとっても3回目のMURDER for TWO。
坂本君と海宝君の2人の余裕と全力に引き込まれ、観客も全力でミュージカルに参加して楽しんでいた。
楽しみ方を知っている人も多いからこそ、笑う場面で全力で笑えるのもあるかもしれないけれど。
ホイットニー夫人のあのディスコパート(?)で手拍子あったの、過去の2回にはなかったんじゃないかな。
歌い終わり、決めポーズをし続ける片方に、次を促す。
ステフに手取り足取りヴァネッサになるよう要求するマーカス。
「まだアタシー」なんて、何人もの役者でやってたら絶対にないセリフ。
音の演出も大好き。
序盤の扉の開閉音も坂本君。
落としたカップを足で片づけるホイットニー夫人。
舞台袖で盛大に何かが崩れる音、獣の鳴き声。
そして役者が役者に戻る瞬間の電話の音。
あれもこれもおもしろくて、愉快で、こんなに声を上げて笑い続けるミュージカルなんてほかにない。
ひとりで役を使い分けないと成り立たない演出、シナリオ。
高い演技力でお話の世界に観客を引き込みながらも、これはあくまでもたったふたりの役者が演じているのだという演出。
観客も舞台を作り上げているのだと言われる参加型の舞台。観客の演技力も試されるシーンも笑。
コロナ禍での舞台では裏方スタッフが引っ張られてたっけ。
どこからどこまでが演技で、どこからどこまでがアドリブなのかわからない2人の息ぴったりの掛け合いは、2回見てようやくアドリブ箇所がわかる。
倒れたドクターを引っ張るときや消防士のところはそうなんだろうって初見でもなんとなくわかるけど、仕掛ける坂本君もそれに平然と(?)応える海宝君のおもしろさったらない。
坂本くんの派手な靴下は初演から変わらずかな。足首から見えていた赤色は初回から印象深かったけれど、それは今回も。まさか両足から靴が脱げてその全貌が見れるとは思わなかった。
推しの勝負靴下を見る貴重な機会に恵まれるなんてラッキー笑。
途切れず流れるように滑らかな2人のピアノ連弾。役の演じ分けとセリフ量。
あそこまで仕上げる努力はいかほどかと想像すればするほど頭が下がる。
アドリブシーンも、演技中も役者が全力で楽しんでいることが伝わる自然で愉快なやりとり。
怪しげでやかましくて、魅力的でカオスな登場人物たち。
初めて見た時の衝撃以上に、3回目に受けた衝撃の方が強くて。
「今が一番であること」を体現し続けている坂本くんと、それに応えている海宝くん。
かっこよすぎる。
役者として高い技術があるからこそ成り立つ舞台でもあるし、あの歌声ももちろんなんだけど、坂本君って観客を現実に戻さない力が秀でている気がする。
劇場、作品、少なからず体験してきた人間として、セリフ、役者が何を言っているのか聞こえるというのは作品に入り込む重要な要素のひとつかなって思ってて。
自分の場合、何を言っているんだろうって考えた瞬間、自分の意識が舞台上から自分に戻ってしまうんだけれど、坂本くんの舞台ではそれがない。
セリフを噛んでもアドリブでも、最初から最後まで自分の意識は舞台上から動かないから観終わった後の満足感が凄まじい。
それを年齢を超え、性別を超え、声音を変えてもそれで歌っても実現出来るのだから彼の表現力って何?みたいな。
歌がうますぎて笑っちゃう剛くんの言葉があったことを思い出す。
演技力が高すぎて笑っちゃう。
最初、舞台中央にホイットニー夫人が登場しただけで笑い声があったのも、キャラの濃さを表現できているからなんだろうな。
役者って本当に凄い。
舞台ならではの演出、飛び抜けていて現実にはいないような濃すぎる登場人物だからこそ、言い方が適切ではないかもしれないけれど、役者が正気でいたら始まらない作品。
坂本くんがピアノをひく。
2人で13役を演じる。
どうしても見たかった初演はファンクラブ抽選に落ちて当日券を取るために並びに行って、座席の隣に用意されていたパイプ椅子で見た思い出の作品。
今日の公演もまた、110分全力で笑い続けた思い出のひとつになりました。
この作品に出会わせてくれたこと。最高の時間を過ごせたこと。本当に感謝しかありません。
ありがとうございます。
蛇足ですが劇場限定のカプセルトイ。何と母と2人で計3000円分、6回中4回缶バッチを引く運の良さですよ。
ただ、観客にお姉さまが多いところでのガチャガチャは腰と膝に悪いし、100円玉だけしか使えなくてチャリンチャリンとあちこちでお金を落とす音がしていたので、ランダムにするなら普通にランダムで売ってくださいとも思いました。
あくまでもランダムを選ぶのであればの話です。
劇場まで足を運ぶファンはたぶん、3000円のセット販売のみでも買いそうな気がしますけれど。
オフブロードウェイミュージカル
MURDER for TWO 2025
東京公演は9月22日まで。
その後、宮城、福岡、新潟、大阪、愛知と続きます。
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