着物を着るきっかけ その2

つぶやき
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やりたいこと、ちゃんとやろう。

そう思った時に目に入ったのは、中学と高校の部活で使っていた箏の爪と楽譜だった。

ずっと捨てられなかった。

純粋に箏を弾きたいと思って部活で選んだ中学で過ごした時間も。

校舎から離れた場所にある部室で部の定番になっていた曲を練習した時間も、文化祭のステージと部のお店で繰り返し弾いた曲も覚えていた。

箏がないから弾くことはできない。なのに、使う機会のないそれをいつまでも大事に仕舞ってあって。

でもそれが答えなんじゃないかって。

もう一度、箏を弾きたいと思って教えてくれるところをネットで探して、今の先生に出会った。

月に一回、プロの箏奏者に教えてもらう。贅沢な時間だった。

せっかくプロの方に教えてもらうのに、自宅で練習できないのがもったいなくて通い始めて2か月ぐらいで箏は買った。とても状態のいいものを中古で。でも、音色は値段以上のもの。

少しずつ弾けるようになって他の生徒さんと一緒にお披露目会に出るようになったら、先生のように着物を着て弾く姿に憧れて、そういえばと思い出した。

着物が好きっていう気持ちも。

いつか着物を着れるようになりたいって思っていたことも。

いつか着物に関わる仕事をしたいと漠然と思っていたことも。

でもそれじゃ、いつかはいつかのままで終わってしまう。

思っているだけじゃ何も変わらない。

動かなければ変わらない。でも、人は動けば、ちゃんと変わるって自分は知っていた。

プライベートで自分のやりたいことに正直になったら、以前のような仕事中の焦燥感や余裕のなさがなくなった実感があった。

仕事に手を抜いていたわけではない。仕事中の自分の気持ちに、ちゃんと線引きができるようになった。

プライベートと仕事は繋がっているけれど、仕事は仕事って割り切れる感じというか。

自分を大切にできない人間が、他人を大切になんかできない。

できる人もいるかもしれないけれど、自分はそんな大きな人間じゃないってわかった。

いつかやりたいことは、いつかじゃなきゃいけないのかって考えたら、いや、今やった方が絶対いいって答えしか出なかった。だってその分、楽しめる時間が増える。

今やって何か損をするのか。

後回しにして、先延ばしにして、本当に後悔しないのか。

明日、自分の人生が終わらない保証なんかどこにもない。

今始めないともったいない。

そう思って着付け教室を探して入学するつもりで着付け体験の申し込みをして、その場で申込書を書いた。

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